未来の住まいを考える

【第二回】電気の自給自足に必要なもの「蓄電池」について

第一回目では、なぜ小島設計が電気の自給自足を目指したかを振り返りました。第二回目では、何を導入したかを実際に機器を見ながら詳しくご説明します。

“何を取り付ければ自給自足が実現する?”

小島:はじめにお伝えしておかなくてはいけないのですが、完全な自給自足は無理でした。
Interviewer:なんと! どういうことですか?
小島:自宅と事務所の両方の電気を賄うとなると、かなりの電力を必要とします。事務所には常に人がいて、パソコンやエアコンがフル稼働しているんですよ。全ての電力を作るのは難しいことが分かりました。ただ、かなり自給自足に近いところまで来ているので、一般家庭であれば完全に自給自足できるでしょうね。
Interviewer:そうなんですね、確かに、会社で使う電気量は大きいですからね。
では、小島設計では何を設置することにより自給自足に近い生活ができているんですか?
小島:太陽光発電システムを、併設する自宅と事務所の屋根に設置しています。その他に、電池をためるための 蓄電池 と、放電時間をコントロールする頭脳であるクラウドHEMSを取り入れています。そして、電気だけで生活できるようオール電化にしています。
Interviewer:太陽光発電システムは屋根に設置している、黒いパネル板のようなものですよね? あれ以外にも必要なものがあるとは知りませんでした。
小島:太陽光発電システムはあくまで、太陽光から電気を作るものです。他に、それを貯めておく 蓄電池 とクラウドHEMSで、効率的に電気を活用できています。
Interviewer: 蓄電池 !? 危険そうですね…。
小島:実際に見てみましょうか。事務所の外に置いてあるこれです。

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小島:たくさんの電気を貯めるために大きなものですが、一般家庭用にこれよりも小さなものや室内用もあります。制作段階で多くの実験とテストをクリアしてきているので、安全性は保障されています。音も熱も出ないし、存在を普段意識することは正直ないですね。
Interviewer:なるほど。確かに入ってくる時も気がつきませんでした。
小島: 蓄電池 により、停電時でも備えた分の電気を使うことができ安心です。そして先ほど、太陽光の電気を貯めておくと言いましたが、実際には作った電気をためるだけじゃないんです。
安い時間帯に電気を貯めておいて、高い時間に売るということができます。
Interviewer:どういうことですか?

小島:それは、クラウドHEMSを使って見ると分かりやすいです。僕の持っているiPadで見てみましょう。

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小島:クラウドHEMSというのは、要は電気の管理システムです。クラウドなのでどこからでも確認できるのが便利ですね。これがまさに頭脳。いつ電気を貯めるか、買うかを時間帯や天気予報による気候に合わせて計算して 蓄電池 を作動させています。
Interviewer:時間帯や天気で変わるんですか?
小島:深夜は皆が寝ている時間なので電気の使用量は少ない、だから電気料金も安いんです。逆に、使用量の増える朝と夕方は割高。ということは、割高の時間帯は電気を買わずに済むように、 蓄電池 に貯めておいた電気を使用します。しかも余った分は売電すればいいわけです。
Interviewer:なるほど電気の先物取引のような…。天気が関係あるというのは?
小島:天気が悪く発電量が芳しくない場合は、どうしても太陽光だけでは賄えないんです。天気予報と連携して、先々雨と分かれば、電気料金が安いうちにためておくというわけです。電気の放電を計画的にしてくれるのがクラウドHEMSです。
Interviewer:クラウドHEMSってスゴイですね。太陽光発電システムだけでは自給自足に近い生活というのは無理ということですね。
小島:私たちも、以前は太陽光発電システムだけでした。それでも充分効率的な生活ではありましたが、さらに 蓄電池 とクラウドHEMSを取り付けることによって今の状況になりました。

“電気量を知ることで、具体的な節約法が見えてくる。”

小島:電気料金のかかる主要な家電にはその電気料を計測する機器もつけています。クラウドHEMSの一貫ですが、このようにコンセントに取り付けて直接電気量を見ることもできます。

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電気の消費量の多い、エアコンや冷蔵庫など5か所で計測しています。それぞれの機器の電気使用量が見えることで、自分たちが日々何にどのくらいの電気を使っているのか分かります。意識することで節約する術も身につき、電気をより大切に使おうと思える訳です。例えば、部屋を暖めるとき、クーラーをこまめに付けたり消したりせずに、一定の温度設定でつけておいた方が全体の電気量が少なくてすみました。試して実際どうだと実感できます。事務所の入口についているこの画面からも見ることができるので、気になり出すといろいろと節電方法を試してみたくなります。

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Interviewer:なるほど、電気は目に見えないから意識しずらいですね。自分なりの節約法が実は間違っていたってこともあるかも。
小島:ただ、性格にもよるようで、母は電気代がかからないからって何もかも使い放題、全然意識していません。ただ、そういう大らかな気持ちもこのシステムを取り入れているからこそかもしれませんね(笑)。

第三回へつづく

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